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玄そばからはじめる手打ちそば屋。
深大寺そば一休庵は自社の製粉所をもっている手打ちそば屋です。


自家製粉?ジカセイフン?なにがちがうの?
 
「自家製粉」と普段あまり聞かないフレーズに「ジカセイフン?」と聞き返すお客様がときどきいらっしゃいます。たしかに、
 「ジカセイフンですよ、だからおいしいですよ!」と言われても、何がどうおいしいのかわかりにくいですね。できることなら
 店頭で食べ比べをしていただきたいけれどもそういうわけにもいかない。ということで、ここでは一休庵のそばがどのように
 つくられているのかご紹介したいと思います!



①石抜き

畑で収穫されたそばの実は、産地から袋に詰められて送られてきます。その袋の中にはそばの実の他にも畑の土やゴミ、小石などが含まれていることがあります。まずその不要なものを取り除きます。とても古い機械ですが一休庵ではこの大きな石抜き機でゴミを取り除きます。

 わかりにくいですがよく見ると小石が入っています。
 機械の中に玄そばを入れ、振動によってそばの実とゴミを 分けます。




②磨き

石抜きをした玄そばは、次はホコリや砂などの「汚れ」を取り除きます。
こちらの大きな機械もとても古いですがまだまだ現役。

③選別(大きさをそろえる)

「石抜き」と「磨き」で玄そばの『おそうじ』をしたら、次は「選別」をします。
これは、玄そばの粒の大きさをそろえる作業です。次の工程の「脱皮」で玄そばの黒い殻をむきますが、その時にそばの実の粒の大きさがそろっていないと、小さいものは脱皮の機械をすり抜けてしまい、大きい粒だと実が割れてしまいます。それを防ぐためにこの工程では玄そばの実の大きさをそろえます。
④脱皮(そば殻をむく)

そばの実を覆う黒い殻、いわゆる「そばがら」を取り除きます。
機械の内部のファンで風をおこし、玄そばを吹き上げて障壁に当てて殻をむく仕組みだそうです。よく考えたものだなあと感動。。日本の技術はすごいです。



こちらが「丸抜き」と呼ばれる、そば殻をとったそばの実です。あの黒いそば殻を外すと、
中はこんなきれいな実が入っています。
画像ではわかりにくいですが、ほんのりと薄黄緑色をしています。これを砕くと白っぽい粉が出てきます。これがそば粉と呼ばれるものです。

⑤色選別

そば殻をむいたそばの実を再び選別します。今回はそばの実の「色」をセンサーでチェックして、まだ殻がとれていない実や赤焼けしている実といった不良品を取り除きます。さらに、そばの実の色の濃いものだけを選別することによって、濃い緑色のそばをつくることができます。

⑥石臼挽き

ようやくここで粉を挽く工程です。「石臼機」を使ってそば粉を挽きます。この石臼はゆっくり回転していて、少しずつ粉を挽きます。低速で回転することによってできるだけ摩擦熱をおこさない、また、石の臼を使うことによっても摩擦熱をおこしにくくして、大事なそばの風味をとばさないよう粉を挽きます。


⑥ふるい
 そば粉をふるいにかけて好みの味わいを表現します。
細かい目のふるいで上品な味わいを、また、粗い目のふるいでしっかりした味わいのそばを、
それぞれお店の味を表現するための工程です。




ここまできてようやく「自家製粉石臼挽きそば粉」ができあがります。



ジカセイフン、自家製粉。自分のところで粉を挽く。
そば殻ををむいた④の状態の「丸抜き」を仕入れ、石臼機で粉を挽く、これも自家製粉です。でも、一休庵ははじめからやります。
玄そばを農家さんから仕入れるところからはじめます。それは、自分の使う原料がどこの産地でどのような生産者に栽培されたかを知りたい、混じりけのない、産地のはっきりわかる原料を使いたい、そして何より、中間業者を通さないので鮮度がいい状態で製粉できる。

私は「味は香り」だと考えています。目隠しをして鼻をつまんで食べ物を口に含んでも、それが何なのかはなかなかわからない。でも、鼻をつまむのをやめると食べ物の香りが一気に鼻に広がり、それが何なのかわかります。私が大事にしたいのはこの「香り」なのです。
そばにも繊細で野趣あふれる「香り」「風味」があります。これらをできるだけ損なわず粉にして手打ちそばにしてお客様に食べていただきたい。

畑から収穫した殻の付いたままのそばの実は、殻をはずすところから劣化がはじまります。可能な限り鮮度をおとさないよう、日本国内の厳選したそばの産地より殻の付いたままのそばの実を仕入れ、製粉に必要なものはできるだけそろえ、原料も年間を通して一定の低温室で保管し、使うぶんだけ上記の工程でそば粉にし、手打ちでそばに仕上げています。すべてはこのそばの「香り」を大事にして。

一休庵の自家製粉のこだわりは、「味は香り」だと考えるからです。だから時間も手間もかかりますがこの自家製粉という作業の一つ一つを大事に丁寧に作業をしています。これらがそばの味となり、お客様に喜んでいただけたら、お客様がおいしいと思っていただけるなら、こんなにうれしいことはありません。

先代が昭和48年からはじめた一休庵の自家製粉。これからもずっと、こだわりつづけます。